ダルム・ヘルツ・センポコ…久留米やきとりって…

夜になりました。
久留米といえば先ほど頂いた久留米ラーメンの他にも、様々な有名なグルメがあります。特に今、注目なのが「やきとり」。やきとり店の数が人口比率だと日本一(愛媛県今治市、山口県長門市という説などもあり)だそう。その歴史は古く、戦後である昭和20年代に屋台から始まったといわれています。

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そこで、1日めの3軒めは『うえ野』へ。
もともとは昭和27年に『夜光虫』という屋台から始まり、『屋台キング』となり、昭和38年にそれを受け継いだのがお父様。その流れを受けて、上野和久さんがこちらを切り盛りしているという、いわば「久留米やきとり界」の血統書つき、みたいな1軒です♪

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お店は靴を脱いで入るスタイル。カウンターとお座敷で、アットホームな空気が流れています。

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メニューを拝見すれば、一見、普通の「やきとり」です。
砂ずり、とり皮、とりレバー、なんこつ、つくね……。
が、その次に…ヘルツ…センポコ…ダルム…うむむ、、、。

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「やきとりセットが、分かりやすいかも♪」と上野さん。
では、それをいただきましょう!

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待っている間に、生ビールを、ぐびぐび♪
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焼き場は、奥様の担当。珍しい。

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炭火です!

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やきとり登場♪
上から、ヘルツ、かしわ、豚バラ、ダルム、センポコ。

ヘルツは心臓のことでした!いわゆるハツですね。
むにゅっとして、わりとまったり。でも後味爽やか。
これは鶏ですが、牛のヘルツもあるそう。

かしわは、鶏肉。鶏の旨みがいいですねー。

豚バラは、塩で。埼玉県東松山市とか北海道函館市とかですと「やきとり」というと、これが出てきます。

さて、一番よくわからなかったのがダルム。
これは、豚の腸。いわゆるシロですね!
こちらでは丁寧に下処理したあとにボイルしています。案外、柔らかい!

そしてセンポコ。これは牛で、大動脈のところ。
コリコリとした食感で、クセになりそう。

「ダルムやヘルツって、ドイツ語なんですよ。久留米は大学の医学部が以前から有名で、医学用語ってドイツ語だったり。その流れで、やきとりでも腸をダルム、心臓をヘルツなどと呼ぶようになったみたい」と、上野さん。

なるほどー。センポコはドイツ語じゃないと思うけど。なんでそう呼ぶんだろう。これは良く分からないらしく、僕もネットで調べてみたけれど語源が出てきませんでした。引き続き、調査中。

で、肉と肉との間は長ねぎじゃなくて玉ねぎでした。佐賀の玉ねぎみたい。甘くておいしいとか。

それはともかく「やきとり」と言えども、久留米では鶏のみならず豚なども出ます。もともとは馬の牧場も多かったそうで、今でも馬のダルムとかもあるみたい。ちなみに馬刺しもあります。

ここで重要なのは全国的に見て「やきとり」って鶏だけじゃないところが多いってことです。久留米に限らず、室蘭しかり東松山しかり。
先日にTBSテレビ「マツコの知らない世界」特番に、やきとり担当で出演した時もいいましたが、僕は全国やきとり連絡協議会のアドバイザーなのでちょっと書きますが、もともと鶏は地鶏くらいしかなく、高価なもので、肉と言えば豚や牛、馬などのほうが安かったんですよね。で、昭和30年代になってブロイラーが出来て、一気に形勢逆転。安い鶏が出回ったわけです。
なので、昔からの流れを汲むご当地やきとり処では、豚や牛、馬などが串に刺さっていたりして、で、「やきとり」というと「肉を串に刺したもの」「肉を焼いたもの」という大雑把な定義として辞書にも載ってたり。鶏じゃなくても、いいそうです。

そんな事を思っていると、ふと、目にした「当店の創作人気 角煮串」
せっかくなので、いただくことに。

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それが、こちら(一番下)。甘めに煮つけられた豚角煮を串に刺したもの。
普通の豚バラ串4本分の量だそうで、大きくて、柔らかジューシーで美味!

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他にも「牛センポコ酢物」も。
おお、これは爽やかで、良い箸休めになりますね!

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ご主人の上野さんは久留米大学で野球部で、全国大会にも行ったそう。そのあと会社員になって、途中から実家のやきとりやさんを手伝うように。
今でもトライアスロンの大会にも出場するそう。すごいなー!
僕もホノルルマラソンには3回出たけれど、気がつけば10年前(^_^;
運動しよう・・・

いやいや、勉強になる夜でした!

おいしかった!!!
ごちそうさまでした!!!

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炭火串焼き うえ野
福岡県久留米市東櫛原町1011−1
0942−34−8404
17:30〜24:00
月曜休み

生ビール 500円
ヘルツ 100円
かしわ 120円
豚バラ 120円
ダルム 120円
センポコ 120円
豚角煮串 250円
牛センポコ酢物 480円

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