ナポリタンの歴史はここから始まった


かつて当地は横浜村と呼ばれ、半農半漁の静かな村でした。それがペリー来航がきっかけとなり、日米修好通商条約により開港されたのが1859年。外国人居留地の設置を経て、横浜は飛躍的に発展を遂げます。
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ホテルニューグランドを語る際、やはり、話は文明開化から始めなくてはなりません。
明治6年にはイギリス人が経営する「グランドホテル」が建てられ、横浜のシンボル的存在となりました。ですが、大正12年の関東大震災で倒壊。壊滅的被害を受けた横浜でしたが、がれきを埋め立てて山下公園を作り、さらに、横浜復興のために当時の市長、有吉忠一氏が中心となり、一般市民からも広く公募して、さらなるシンボリスティックなホテルを、と、昭和2年に建てられたのが、こちら「ホテルニューグランド」。
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戦後には、進駐軍に接収され、マッカーサー元帥らも宿泊。昭和27年に接収が解除された後も、大佛次郎氏やチャップリン、ベーブ・ルース、日本の皇室はもちろん、英国王室、世界中の要員の方々に愛され続けています。
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そんな由緒正しきホテルが、なぜ、グルメ旅に?とお思いの方もいらっしゃるかもしれません。
実は、ここ「ホテルニューグランド」が、「ナポリタン」の発祥の地なのです。
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そんな「ナポリタン」をいただくべく、1Fの『ザ・カフェ』を訪れました。
一般的にホテルは1階にコーヒーハウスがありますね。こちらも、その位置づけな1軒。もちろんホテル直営。
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メニューを拝見すれば、確かにありました!
「スパゲッティ ナポリタン」
さっそくオーダーし、登場を待ちます。
その間、ふと見ると、紙ナプキンにロゴが入っていることに気づきました。
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これは、つがいの不死鳥(フェニックス)だそう。
実はホテルがオープンする際、公募で「ホテルニューグランド」という名前が決まったのですが、もう一つの案として「フェニックス」も、あったそう。関東大震災後に、復興の意味を込めて、という事のようで、それがロゴに表れているとか!

さて、登場です。
いやぁ、もう、「ナポリタン」の原型というか、そのものずばりというか。
でも、凄いのは、これが元祖で、他がこれを模倣して広まっていったわけです。ここから、歴史はスタートするわけです。
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でも、いただくと、巷の「ナポリタン」とは明らかに違うソースの深み。
伺えば、ケチャップではなく、フレッシュなトマトソースからキチンと手作りでソースを作っていくそう。
戦後の接収時に、2代目総料理長の入江茂忠氏が、スイス人の初代総料理長サリー・ワイル氏のアイデアを発展させて、完成させた作品。戦後の食糧難の時代に、エネルギーになるようにと軍用食にヒントを得て、考案されたといわれています。
具材は特注のボンレスハムとフレッシュなマッシュルームのみですが、物足りなさは全く無く、却って上質な美味しさを醸し出しています。

そして、面白いのは、パスタ自体の食感。ここにも秘密が隠されています。
というのは、通常のパスタはアルデンテが持てはやされていますが、こちらは1.6mmのパスタを茹で上げた後、12時間寝かせ、オーダー後に再度火を加えソースとからめて、塩・胡椒で味を整えるスタイル。
いわゆる「ロメスパ」と同じ系統の調理方法で、こうすることで、もっちりとした食感、そしてソースとの一体感が出るというわけ。
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さらに「ナポリタン」という名称も気になりますが、実際にナポリにあるわけでは無いのです。これは、ナポリで気軽に屋台などで提供される麺料理をヒントに考案されたため、それにちなんで「ナポリタン」と名付けたそう。
伺えば伺うほどに、様々な歴史が溶け込んでいる事に気づかされます。

そして『ホテルニューグランド』は「プリン ア・ラ・モード」も発祥の地。というわけで、そちらもいただくことに。
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こちらも接収時代に、将校の奥様たちに喜んでもらおうという想いから生まれた作品。
前日まで鰊の酢づけ用に使っていたコルトンディッシュというグラスに、プリンとアイス、果物などを盛り合わせたもの。
各パーツの上品な味わいが、まさしく一体化し、まるで今も将校夫人たちの笑い声が聞こえてきそうな逸品です。
ちなみに、ウサギちゃんのように見えるのは、ウサギではなく、フランス料理のアローというカット製法だそう。今まで、いろんなところでいただいていたこのリンゴスタイルもこちらが発祥だそう。でも、すみません、ウサギちゃんだと思っていました(汗)。
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ちなみに『ホテルニューグランド』は「ドリア」の元祖でもあるらしい。
今度またぜひ「ドリア」をいただきに参ります。

横浜の歴史を感じることができる、素晴らしきひとときでした!


おいしかった!!! ごちそうさまでした!!!


ザ・カフェ
神奈川県横浜市中区山下町10 ホテルニューグランド本館1F
045−681−1841
10:00〜20:30(L.O)
無休
スパゲッティ ナポリタン 1836円(2014年4月以降)
プリン ア・ラ・モード 1134円(同)


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