「ちゃんぽん」で壮大なスケールを知る

約10年前、初めてこの建物を見た時、あまりの壮大なスケールに、お城か、ホテルかと、目を疑ったことを覚えています。僕は、ガイドブックを片手に「ちゃんぽん」を食べに来たのです。何度、地図を見ても、住所がここ。じっと、建物を凝視すると、そこにはお目当ての中華料理店『四海樓』の文字が!
あまりに中華料理店離れした壮大なスケールに、思わず、腰を抜かすかと思いましたよ。
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建物を設計したのは『四海樓』3代目の次男である、陳 優宏さん。当地区は長崎市の景観形成地区に指定されていて、周辺には重要文化財に指定された建物が建ち並ぶ地。そこで中華料理店のイメージを醸しだしながら、この地区に溶け込み、親しまれる事をコンセプトとして平成12年に建てられたとか。

壁からして凄いです。瓦で出来た、龍壁!
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大階段も、単なる階段にあらず、2F、3Fの踊り場が“ステージ”の役割も担い、吹き抜けになっていて、その先の中国大陸に通じる、“風の道”でもあるそう!
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大階段の両側には、“順風耳”と“千里眼”の銅像!
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驚くべき事はまだまだあります。外壁のほとんどは石で、特に石については『四海樓』の故郷である福建省から輸入したもので表面加工はすべて“手彫り”。その手技に、中国文化が持つダイナミズムをも感じます。

そんな建物の規模に、のっけから驚いてしまったのですが、実際のレストランが5Fにあるというのも驚愕。エレベーターで5Fへと昇れば、店内の先に広がる長崎の海に、感動すら覚えてしまいます。
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『四海樓』は、明治25年の時、19歳だった華僑の陳平順氏が中国福建省から長崎に渡り、明治32年に中華菜館兼旅館として創業したのが始まり。
当時はここから徒歩10分ほどの“唐人屋敷”の跡地にあり、こちらへは昭和48年に移転してきたそう。

こちらへ真っ先に伺ったのは、兎にも角にも長崎名物をいただこうと思ったため。長崎名物のグルメはいろいろありますが、その筆頭とも言えるのが「ちゃんぽん」でしょう。実はこの「ちゃんぽん」は、こちらが元祖。陳氏が、中国人留学生たちに、安くてボリュームがあり栄養満点の料理を提供したいと、考案したとか。当時は「支那うどん」と呼ばれて、瞬く間に大評判に。たちまち、長崎じゅうに広まっていきました。

こちらが、「ちゃんぽん」。これは中華料理の調理技術と長崎の山海の食材によって生まれた、長崎生まれの中華料理。当時の華僑同士のあいさつ言葉「シャポン(ごはん食べた?)」から転じて、「ちゃんぽん」になったとも。
鶏ガラメインで、トンコツも少し加えた白湯スープは、優しいまろやかさが活きています。
醤油ダレは長崎のチョーコー醤油の濃口と薄口をブレンドして作るそう。なので、醤油感がくどすぎず、薄すぎず、良いあんばいで伝わってきます。
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キャベツやもやし、ねぎ、きくらげ、豚肉、海老、イカなどの野菜や海産物も採れて、健康的な1杯ですね。
ちなみに、かまぼこのような“紅白のもの”も具に入っていますが、これは「はんぺん」というのが一般的なんだとか。

そして麺ですが、太いタイプで、ぷるんとした食感。当初「支那うどん」と呼ばれていたのも頷けます。通常の中華麺は、かんすいを使用しますが、こちらは使用せず、“唐灰汁(とうあく)”を用いて打つのも正統派「ちゃんぽん」です。
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『四海樓』は「皿うどん」も元祖と言われています。
実は「皿うどん」は、もともとは「ちゃんぽん」と同じ、太いタイプの麺を使用し、炒めた具材を合わせたもので、これもメニューにあるのですが、今回は細麺タイプを。
こちらは、パリパリとした食感の麺に、やや甘めの食材入りの餡が。この“甘め”というのがポイントで、かつて砂糖が貴重な時代から、それらをふんだんに使用するという、おもてなしの心が息づいているそう。
卓上には初代と共同開発したという「金蝶ソース」が。さらさらで酸味のあるスパイシーなソースを、途中でかけるのもまた一興です。
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今は、4代目の陳優継さんがお店を切り盛り。
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2Fの「ちゃんぽんミュージアム」や
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1Fの「四海樓名店街(お土産やさん)」も楽しいです♪
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「ちゃんぽん煎餅」は『四海樓』の監修です。
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おいしかった!! ごちそうさまでした!!


四海樓(しかいろう)
長崎県長崎市松が枝町4−5
095−822−1296
11:30〜15:00 17:00〜21:00(20:00L.O)
不定休
ちゃんぽん 972円
炒麺(細麺の皿うどん)972円


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