老舗割烹旅館で、海を眺めつつランチを


おはようございます。みなみ北海道グルメの旅も3日め。いよいよ最終日です。
今日は、函館市からスタート!

書くまでも無く、日本津々浦々に素晴らしい温泉があります。
函館にも歴史のある湯の川温泉が存在します。
開湯は1653年。松前藩の第4代藩主、松前高広が病気療養時に探索し、発見したといわれています。特に繁栄したのは明治時代。馬車鉄道が開通し、路面電車へと変わり、自動車道も整備され、当時は遊園地もでき、相当な賑わいだったとか。
現在でも旅館が約20軒。函館空港からも近く、人気の温泉地として知られています。

そんな湯の川温泉の『割烹旅館 若松』を訪れました。
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『若松』は大正11年(1922年)の創業。
玄関前の東屋で、天然の温泉が噴出しています! 創業以来、湯元としても古く、57.6℃の自家源泉が尽きることなく湧きでているそう。 湯量も毎分127リットルと豊富で、透明な湯が一日中、湯舟を満たしています。泉質は、ナトリウム・カルシウム塩化物泉。
昭和29年(1954年)には天皇陛下もお迎えした、由緒ある旅館です。
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こちらは割烹旅館なので、宿泊だけでなく、昼、夜ともに料理を堪能できます。本格会席を予算に応じて組み合わせて、2名から大宴会まで対応可能。
今回伺ったのは、お昼どき。

正統派の和の空間ただよう客室。
窓の外には、函館の海。津軽海峡ですね。
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さて、料理が運ばれてきました。松花堂弁当。松花堂ならではの四角い重箱。黒塗りの上蓋を開ける瞬間、ドキドキワクワク。
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さっそく開くと、わぁ、想像していたよりもずっと艶やかなお弁当が!
季節感も重視した造りは、さすが割烹旅館。(料理の内容は、月替わりです)
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まずは前菜
ほおずき、カスベの煮こごり、枝豆、海老、まつかぜ(鶏肉)、つぶ貝の旨煮、自家製からすみ、サーモンのきぬた巻き、ささガレイの風干し、鴨肉など
どこから最初に箸をつけてよいか、しばらく悩むほどの豪華な前菜。
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焼き物
銀鮭の樟葉焼き。ヤンコンの酒盗焼き。きぬかつぎ。
樟葉焼きは、蓋を開いた時は、樟葉に包まれておりましたが、写真のために開けました。
味噌ときのこの味わいも加わって、より深みのある焼き物に。
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煮物
カスベの揚げ煮。越冬ごぼうなど。
ひとつひとつに丁寧な仕事がなされています。
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ごはん
『若松』のロゴが「松」なんですね。それをかたどっています。細部に渡って、真面目さが出ますね。お米は道南の「ふっくりんこ」を使用。「ふっくりんこ」は寒さに強い「ほしのゆめ」と「空系90242B」とを交配させ開発した品種で、粘りと柔らかさがあるのが特徴。冷めても美味しいともいわれています。
ごはんの上には、じゃこ炒めが。
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重箱以外にも、お刺身もありました!
おお、泡醤油も!わさびと一緒にお刺身の上に載せて、いただきます。
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お吸い物
香茸しんじょう。鱈の葛たたき、どんこ(しいたけ)。
香茸しんじょうは白身のすり身に山芋をつなぎにし、中に香茸を入れたしんじょうだそう。
つる菜や赤万願寺、柚子も彩りを風味を加えています。
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さすがは、割烹旅館ですね。接客も申し分なく、素晴らしいひと時を過ごせました。
総料理長の成田正吾さんは、北海道の出身ですが、長年、金沢や京都の日本料理店で腕をふるっていたそう。
実は泡醤油も、京都で十数年前に考案したので、第一人者という声も。
「お刺身を醤油にたっぷりつけてしまうと、せっかくの味が消えちゃいますよね。そこで、泡にして、お刺身の上にちょこんと載せるやり方を考えてみたんです」と成田さんが笑います。口の中でふわりと溶ける醤油。なんとも“粋”です。

また、成田さんはできるだけ上等な食材を使いたいと、在来種の種を入手して自ら栽培したり、堆肥作りから携わったり。
魚介も漁師から直で仕入れられるそうで、今日のお刺身は全て戸井産だとか。
実は魚は寝かせたほうが美味しいといわれています。マグロも1週間ほど寝かせて提供することで甘みが増すとか。

雄大な津軽海峡を眺めながら、ゆったりと個室で上質な日本料理。
そして、次回はぜひ、泊まりに来たいものです。


おいしかった!! ごちそうさまでした!!


割烹旅館 若松 (わかまつ)
北海道函館市湯川町1−2−27
0138−59−2171
時間は要相談
定休日:無休
松花堂弁当 3500円+税 (要予約)2名から
(内容は月替わり)

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