神戸の雰囲気にぴったりの老舗ロシア料理店


江戸時代に宿場町として栄えた神戸は、1868年に国際貿易港として開港し、飛躍的に発展を遂げました。外国人も多く移住し、現在の三ノ宮駅から山側へと北野坂を登れば、今でも「風見鶏の館」を筆頭に、異国情緒あふれる異人館が存在します。そんな北野坂の途中にある、洒落た赤煉瓦が特徴のヒルサイドテラスビル3F。
今回の神戸グルメ2泊3日の旅は、純ロシア料理『神戸 バラライカ』からスタートです。
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エレベーターを3Fで降りれば、「純ロシア料理」と書かれた外観。
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店内も落ち着いた雰囲気で、いいですね。4人がけのテーブルが縦横に整然と並んでいます。
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昭和26年創業。
「もともとは、祖母が始めたんです」と、3代目であるマスターの田部洋一さん。
おばあさまは、戦前、ハルピンにいたそう。おじいさまは写真屋さんだったとか。
ロシア人のお母さんが作る料理の、なんだか懐かしくて素直な気持ちにさせられる素朴な味わいに惚れ込み、そして戦後に神戸へ移って当時としては珍しいロシア料理の店を開いたというわけ。
以前は生田新道南にありましたが、阪神大震災後に北野坂へと移転しました。
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入口には可愛らしいマトリョーシカなどの雑貨やボルシチ、ジャムなどが並び、販売されています。
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これが「バラライカ」という三角形をしたロシアの民族楽器です。
ロシア人が集う輪の中で奏でられるその楽器の音色は人々の心を和ませることから、レストランも皆様が集い、くつろげる場所となるようにという想いで「バラライカ」と名づけたそう。
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オーダーしたのは、カツレータセット(CUTLET SET)。
ボルシ(ロシアスープ)
ピロシキ(1ヶ)又はライス
カツレータ(ロシア式ハンバーグ)
コーヒー又は紅茶
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ボルシはボルシチというレストランもありますね。ロシアスープです。
発祥はウクライナだそうで、ビーツという赤い果物を使用してスープを作るので赤いのだとか。でも、ハルピンなどのロシア極東では、ビーツの代わりにトマトを用いるのが定番だそう。『バラライカ』でもトマトを用いています。なるほどロシアは広いので、ロシア料理といっても、地域によって食材や味わいが違ったりするのですね。確かにイタリア料理っていってもいろいろあるし、そういえば日本料理もしかり。

ベースは牛骨だそうで、コトコト6時間以上煮込むそう。牛肉が柔らかいですね〜。キャベツやじゃがいも、にんじんなどの野菜も入って健康的。そして温まる一品。
おもしろいのは、生のサワークリームが載る点。日本のサワークリームとは違い、生クリームにケフィアという発酵菌を混ぜるロシアスタイルで、深いコクと、なめらかな舌触り、そして優しい酸味が、徐々にスープに加わっていきます。
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ピロシキ。『バラライカ』では肉や野菜、きのこが入ったタイプと、甘いリンゴジャムの入ったタイプの2種類のピロシキがあります。こちらは前者。
いや〜、おいしいですね!まずは生地が、おいしい。適度な弾力ともちもちっとした生地。爽やかに揚がった感じもいいです。もちろん、しっかりとした味わいの具もGOOD!
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そしてカツレータ。ロシア風のハンバーグです。
最近の巷のハンバーグは、ふわっとしたタイプが多いですね。空気をふくませて、みたいな。それとは真逆のタイプ。粘りよりもぎゅっと詰まった肉肉しさを感じます。トマトベースのソースと、やはり、サワークリーム。これが、合う!
ちなみにロシアではペリメニという餃子にもサワークリームを合わせるそう。
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食後には、ロシアンティー。
セイロンティーに、バラといちごを用いた自家製ジャムを入れます。
ふわっとバラの風味がただよう不思議な紅茶。これが定番のスタイルなんだとか。
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ロシア料理というともっと濃厚な味わいを想像していましたが、『バラライカ』は家庭料理的な味わいで、とても親近感もありました。幅広い年齢層に支持されるのも、頷けます。


おいしかった!!! ごちそうさまでした!!!


純ロシア料理 神戸バラライカ
兵庫県神戸市中央区中山手通1-22-13
ヒルサイドテラスビル3F
078-291-0022
11:30〜14:00(L.O)
17:30〜21:00(L.O)
定休日:火曜日(祝日の場合は翌日)
カツレータセット 2500円+税

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