実直さが美味しさに拍車をかける


『豆子郎』。山口の人なら誰でも知っているといわれる有名な外郎(ういろう)菓子の会社です。でも、本店以下支店の殆どが山口県にしかないことに、常々、疑問に思っておりました。その理由が、今回伺って、分かりました!

かつて満州鉄道の技術者であった田原美介氏が、戦後の食糧難の時代に実家からもらった米ぬかと、統制品の少量の砂糖、そして配給された少量の小麦粉をつなぎにして、「ぬかパン」を製造販売したのが、最初。「ぬかパン」は飛ぶように売れて、家族総出で商いが始まったそう。

その後、美介氏の美味しさを追求する姿勢に、山口の外郎作りの創始者である『福田屋』のご主人が感心しそこまで美味しさを追求するのならばと秘法を伝授され、外郎を作ることに。でも師である『福田屋』の右に出てはいけない、出るものではない、ならばと「オリジナル」を考案したのが、「生絹豆子郎(すずしとうしろう)」。小倉と抹茶がありますが、長年のお付き合いのある松田商会から仕入れた北海道産大納言小豆や西表島の黒糖、そしてわらび粉を用いて、朝2時から仕込むそれは、材料を無駄にせず、スタッフにも無理をさせず、美味しいものを妥協なく作ってお客様に届けるため、ほぼ県内直営。本店の奥にある工場から約1時間以内にお届けできるよう、配慮なさっています。
なので、さすがの美味しさ。一口目で口あたりを楽しみ、二口目で味、そして三口目で完結するというスティックタイプの食べやすい細長い形状にもこだわりが感じられます。
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さらに「生絹豆子郎」は日持ちしないという欠点から、なんと魚肉ソーセージの密封技術をヒントに「豆子郎」が誕生。完全密閉することで熟成された味わいに。さらに電子レンジで温められるように、銀紙ではなく巻紙を用いる工夫も施されています。
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そんな『豆子郎』を堪能すべく、本店のある『豆子郎の里 茶蔵庵』へと訪れました。もちろん店内には様々な商品が。今の季節限定の「手鞠柑(てまりかん)」なる一品も(甘夏をまるごとゼリーにしたみたい!)。
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そして目の前には四季折々の優美さを感じさせてくれる庭園「四季庭。
これらが全部、敷地内なので、驚きです。
でも、お世話になった『福田屋』(現在は閉店)が近くにあって、そちらよりも「決して前に出てはいけない」と、ちょっと奥まった設計になっている点にも実直さを感じます。
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ほかにも「御迎処」では企画展の開催や、木工作品の山口十境詩を展示しています。
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『茶蔵庵』は「茶蔵館」という喫茶にもなっていて、「生絹豆子郎」のほかセットメニューが楽しめます。
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「静香」と名付けられた大納言翡翠白玉と炭焼珈琲のセットを頂きました。
もちろん「豆子郎」に使用している北海道産大納言小豆と西表島の黒糖を使用した冷たい白玉ぜんざい抹茶風味。抹茶も京都から取り寄せているそうで、しっかりとした風味です。これは完成度が高い、まさに逸品。炭焼珈琲の深みも、ぴったり。
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『豆子郎』には、常に素人、おごることなく常に精進する、という意味が込められているそう。そして、凄く伝わってきたのは、業者さんも含めてスタッフみんなが、『豆子郎』を愛しているという点。なかなかこういう会社に出会えるものでは、ありません。


おいしかった!!! ごちそうさまでした!!!


豆子郎の里 茶蔵庵
山口県山口市大内御堀33
083-925-2882
10:00〜18:00
冬季9:00〜17:00
(売店は7:00〜19:00)
無休
静香(大納言翡翠白玉と炭焼珈琲のセット)1100円
大納言翡翠白玉のみは800円



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