蕎麦も器も手作りの良さが光る


北海道は蕎麦の生産も盛んな地です。日本全体での生産量の内、約1/2を占めています。特に有名な生産地は幌加内(ほろかない)。その他、深川市、旭川市など各地で栽培されています。寒暖の差がある地が向いているといわれているので、北海道が一番適しているのと、広大な土地があるというのが、特にポイントなのでしょう。

一口に蕎麦といっても、品種は様々です。その中で、在来種と呼ばれる、いわゆる「元になる」ような品種が「牡丹そば」。今は「キタワセソバ」が主流となって、殆ど生産されなくなってしまった、いわば、幻の品種。
実は、今回、伺うのが、その「牡丹そば」を用いた蕎麦店なのです。

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場所は、帯広駅の北東方、約2.6kmのところ。
クルマのカーナビに住所を入れて、走っていくと、着いたところは「オベリベリ温泉 水光園」。
日帰り入浴施設で人気の温泉です。バリアフリーにも対応していて、大評判。
この入口に大通りに面して建っているのが「十勝石臼挽き蕎麦 匠(たくみ)」。
蕎麦店の王道的な店構えですね〜。

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ご主人である江川正之さんは「水光園」の4代め。もともとこの場所は、食堂的な飲食店などを直営でなさっていたようですが、江川さんの代で蕎麦専門店に切り替えたそう。

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「とりごぼうせいろ」をいただきました。
メニュー表の説明書きには……
「鹿追産の幻と言われる牡丹そばを石臼で自家製粉し、自家井戸の水でこね のし 切り 茹でられたそばです」

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蕎麦自体の見ためはシンプルですが、風味まで伝わってきそうな、やや「星」が入り、くすんだ色合い。これを、書かれているとおりに、まずは何もつけずに啜れば、
風味がよく、つるりとしたのど越しも併せ持っています。
そばの実を仕入れて自家製粉しているのはもちろんのこと、「玄蕎麦と丸ぬきをブレンド」もしているそうで、それでバランスを取っているのですね。

つけ汁もダシがキチンと効いたツユに、たくさんの笹がきごぼうや鶏肉が。
これで900円は、お得だなぁ!

もともと「水光園」でもお食事付きの入浴プランがあり、そのためにも料理の腕を持たないと、と、江川さん自身も札幌の大学を出た後に、東京や大阪で日本料理の修業を積んだそう。
特に「凝り性」なのでしょう。器も手作りだとか。でも、私も以前、少しだけ陶芸を習っていたので、ちょこっと分かるのですが、この器の色味が独特なんですね。
「これは、自分で、蕎麦のわらを燃やして釉薬を作っているので」
おお!陶芸をなさる方は多いですが、釉薬(いわゆる陶芸に塗る液体)を自分で作っている方は珍しいです。しかも蕎麦のわら。さすがです!

今回も素敵なお蕎麦やさんに出会えました♪

おいしかった!!ごちそうさまでした!!

十勝石臼挽き蕎麦 匠 (たくみ)
北海道帯広市東十条南5丁目6
0155−23−0388
11:00〜16:00
土日祝11:00〜19:00
蕎麦なくなり次第終了
定休日:火曜日
とりごぼうせいろ 900円


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