明治創業の老舗で卓袱料理を


おはようございます。
長崎グルメ旅、2日めは、伝統的料理からスタートです!

長崎の郷土料理というと、ちゃんぽん、皿うどん、カステラなど幅広く存在しますが、一番「長崎らしい」と言われるのが「卓袱料理(しっぽくりょうり)」です。
今日はまず、それをいただきに伺いました。

場所は金屋町の『坂本屋』。
外観からして、料亭の雰囲気がひしひしと伝わってきます。
もともとは、長崎街道矢上宿で呉服商両替商を営んでいた、初代 坂本寅一氏が、明治初期に現万才町に移り、
明治27年に現在地である金屋町に旅館を構えたのが最初だそう。
なので、今でも、旅館&料亭という2大看板を背負っての営業です。a-nagasa0401


もともと旅館ということもあり、お部屋は全て個室です。
僕が伺ったところは座敷ですが、和室で椅子対応もなさっているそう。
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今回いただいたのは、お昼のコースで4000円+税のタイプ。
3000円+税のタイプに、ハトシが付いたコースです。
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通常、巷のコース料理は、一品ずつ提供されることが多いですが、長崎の「卓袱料理」は、最初からたくさんのメニューが卓上に並びます。
テーブルが円卓になっているのが通常なのですが、これは、江戸時代、天領の地であったゆえに、他の城下町とは違って、武士も役人も町人も、ひとつの膳を囲んで、分け隔てなく和気あいあいと味わえる、という意味があるそう。朱色の円卓は「卓袱台」と呼ばれ、網の目模様になっています。


さて、食前酒の自家製うめ酒をたしなんだ後は、
さっそく料理に舌鼓。

まずは、珍しき「お吸い物からスタート」の構図。
「お鰭(ひれ)をどうぞ」と、女将のご挨拶で始まります。
お鰭とは鯛の切り身のこと。ほかにはんぺんなども。
利尻昆布や血合いを取ったカツオなどがベースの、優しい汁も、いいですね。
最初にお餅を味わうのは、腹持ちが良いようにということらしいです。
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次に小菜。
和え物・・・野菜の盛り合わせなど
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刺身・・・ひらす(ひらまさ)や真鯛など。新鮮さが格別。
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酢の物・・・フカの酢の物など。季節によって変わります。
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三品盛・・・抹茶寒天や、鮎の甘露煮、蟹しんじょう
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煮もの・・・黒豆の蜜煮
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全体的に甘めなのですが、これは江戸時代に各地が質素倹約をしている中、長崎はとても潤沢であり、砂糖も手に入ったそう。それが現代まで通じているとも、言われています。

そしてメインの、東坡煮(とうばに)。
東坡煮はいわゆる豚角煮のようなもので、その言い方はこちら『坂本屋』が元祖といわれています。中国の詩人、蘇東坡煮が大好きだった豚角煮に、独特の和風タレ。
ほろほろと崩れそうなほど、柔らかい仕上がりに驚きます。
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さらに、ハトシ。
こちらは、食パンの間に海老のすり身を入れ、サラダ油などで揚げたもの。
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香の物
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果物
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しるこ
最後におしるこがつくのは、胃に優しいということもあります。
やはり、甘めです♪
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もともと卓袱料理は、家庭レベルでのおもてなしとして広まったそう。そのため今でも自家箸で料理を取るのが流儀。
そして長崎は江戸時代から国際貿易港であり、様々な国から様々な料理が集まってきた地。そんな長崎ならではの、和洋中華が折衷の料理が、卓袱料理なのです。


おいしかった!! ごちそうさまでした!!


坂本屋
長崎県長崎市金屋町2−13
095−826−8211
11:30〜13:30(L.O)
17:30〜20:30(L.O)
無休
卓袱のコース料理4000円+税(料理内容は時期により変動)
(予約は2名様から)

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