絶対に当日中に食べるだんご


世の中には賞味期限の短い商品が、たくさんあります。
特にケーキに代表される生菓子は、そうですね。お刺身などの生の魚介類も、しかり。
お団子も短いですね。みたらし団子や草だんごなど、当日限りという商品も多いです。

七飯町の『沼の家』の「元祖 大沼だんご」も、賞味期限は当日のみ。
その、だんごを求めて、クルマを走らせました。
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場所は大沼公園駅前。大沼は「大沼国定公園」の中にある沼で、園内には小沼、蓴菜沼、そして駒ケ岳もあり、まさに自然豊かな地。もともとは明治38年(1905年)に道立公園に指定されたそう。
その際に、誕生したのが『沼の家』。初代の堀口亀吉氏がお茶屋を始め、大沼駅で駅弁のように立ち売りを始めたのが最初で、それから100余年、今は4代目の堀口愼哉さんが店を守っています。
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「元祖 大沼だんご」は、胡麻としょうゆ、あんとしょうゆ、の2種類。
なんとも、可愛らしい器ですね。安定感のある折り箱スタイル。これは電車の中で食べていてもひっくり返らないという利点も。

「そんなには申し上げてないのですが、パッケージではしょうゆがすくなめで、胡麻が多めとかになっていますが、逆にもできたりしますよ」と、堀口さんが笑います。
いっそのこと、全部しょうゆ、全部胡麻とかでもOKだそう。おお、そんな裏ワザが(笑)。
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楊枝で食べるというスタイルもいいですね。
これは初代の亀吉氏が洒落者で、他と一緒にしたくなかったからとも言われているとか。

店舗の外には、木製のテーブルや椅子があり、その場で味わえるのも嬉しい限り。
なんといっても、賞味期限は当日のみですからね。それに、出来立てのほうが美味しいので。もちろん、商品は早朝から作り始めます。
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まずは、しょうゆをいただきました。
これ、だんご自体が美味しいですね。伺えば、うるち米がメインで少量のもち米を合わせているそう。ほぼ北海道産。しかも自家製粉!
俵型のだんごを食せば、むにゅーっとした優しい食感が楽しめます。
そこに、醤油やでんぷん、ざらめで作った、甘じょっぱいタレ。これは、まさにヤミツキという表現がぴったり。
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続いて、胡麻。
黒々としていますが、これは黒胡麻を自ら擦って、すぐに練っているそう。黒胡麻本来の香ばしさと、まろやかな口あたり、ふわっとした甘みが絶品!
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さらに、あん。
道産主体の小豆を使用し、これまた朝から仕込むため、活き活きとした鮮度と爽やかな甘さが広がります。
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全体的に、わりと甘さはあるものの、しつこさが無く、後引く味わい。しかも、日持ちしないためにお土産にも適さない商品で、ここに来ないと味わえないという、なんとも贅沢な逸品。実は、残りを持ち帰り、翌日にいただいてみたのですが、だんご自体がけっこう堅くなってしまって、全然別物に。やはり、当日中じゃないと、ダメです!

他にも『沼の家』には「紅葉ようかん」もラインナップされています。
これは、「だんごが日持ちしないので、逆に日持ちがしてお土産になるような商品を」と、考案された商品。とはいえ、考案から30年以上経っていますが。賞味期限は約半年。もちろん手作りで、昔ながらのしっかりとしたようかんです。
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ちなみに、堀口さんはジャズが大好きで、店内でジャズをかけていたりもするそう。
ふつうの「団子やさん」とはまた違った、洒落た雰囲気も魅力です。


おいしかった!! ごちそうさまでした!!


沼の家 (ぬまのや)
北海道亀田郡七飯町大沼145
0138−67−2104
8:00〜18:00(売り切れ次第終了)
定休日:年末年始のみ
元祖 大沼だんご  小折 390円
紅葉ようかん 2本 1470円

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