元祖「陳麻婆豆腐」で麻婆豆腐をいただく
いわずもがな、四川といえば四川料理の本場だ。省都である成都では、火鍋を始めとする辛い料理は地元の人たちに大評判。スーパーの地下の食品売り場に行けば、片隅におでんやソーセージなどを販売する店舗がいくつもあり、しかもそこに一味唐辛子が大量に置かれていて、みんな尋常じゃない量をかけている。
そんな成都に来たならば、絶対に味わったほうが良い料理が麻婆豆腐。
日本でもメジャーな料理だが、実は本場はこちら成都。しかも元祖の店舗がある。それが「陳麻婆豆腐」。念願叶って2日めの夕食に訪れる事ができた。
「陳麻婆豆腐」は創業が1862年。日本でいえば江戸時代、中国もまだ清の時代。陳春富さんが成都の北方にある万福橋というところで「陳興盛飯舗」を始めたのが最初。陳さんは早くに亡くなってしまい、奥さんがずっと切り盛りなさっていたそう。その奥さんがニキビ跡(=麻)のあるおばさん(婆)だったので、陳・麻婆・豆腐という店名になっていったとか。
時々「陳おばあさんが作った〜」とか言われたりするけれど、婆はおばあさんじゃなくておばさん。老婆がおばあさんなので間違いなきよう。万福橋のお店は行商の人々がちょっと立ち寄るようなお店で、途中で豆腐を使って作成したのが、この辛い豆腐料理というわけ。
市内には支店もいくつかあるようだが、せっかくなので本店で味わう事にした。店舗は20時半がL.Oと聞いていたので、急いで向かった結果、20時すぎに到着した。広々とした店内は満席、外にも待っているお客さんがわんさかいた。今から待っても相当かかると言われたのだが、ごにょごにょと交渉した結果、じゃあ2階ならすぐに入れると言われ、階段を上った。「陳麻婆酒樓」と看板に書いてあったが、1階とどう違うのかは分からなかった。料理も同じようだった。
僕はハイボールとかレモンサワーとかジョッキタイプの生ビールが特に好きだが、中国なので必然的に瓶ビールだ。初日の瓶とは違う銘柄だったが、やはり薄い味わいは共通していた。もっとも、辛い料理にビールはぴったり。今回もゴクゴクと頂いた。
麻婆春雨
つるりとした春雨の食感と瑞々しい味わいが、辛さでコーティングされている。
きなこ餅
四角に切って揚げたお餅と、別添えで黒蜜&きなこ。完全なるスイーツ。ほんのり甘めで美味しい。
鶏肉と赤ピーマンとセロリの炒め物
辛くない料理もあった。あっさりとした味わいで、箸休めにもいい。
水煮魚(麺入り)
なまずみたいな川魚の入った四川料理の定番らしい。麺も加わっていた。そんなに辛くない。
担々麺
本場なので汁なし。日本の汁あり担々麺は陳建民氏が考案という説と、香港から流入説の2つあり。こちらのは、タレが少しだけ底にあった。混ぜずに麺をいただくとふわふわもっちりタイプ。混ぜたら少し辛味がついたがさほどでもない。味としては大したもんじゃないが、本場で味わえた喜びがある。
挽肉と青菜と人参と紫玉ねぎが入った汁もの
これも辛くなくて、スープというか、おかゆ的でGOOD。
涼粉
エンドウ豆が原料の押し出し麺。辛さが炸裂。
川海老と青ネギの炒め物
ピリ辛くらい。川海老の優しいコクとパリっとした食感、青ネギの香ばしさが一体化。
鶏スープ
けっこう滋味深き味わい。鶏白湯スープが後引く旨さ。
クラゲの酢の物
黒酢的な良さも加わり、中国料理的でイケる。
焼き餃子
焼きたてで、餡もふっくら、皮ももっちりで美味!
そして、メインの麻婆豆腐。
さすがな出来栄え。本格派というかこれが本物なんだけれど、まさに麻(マー)の辛さと辣(ラー)の痺れ具合がグッとくる。豆板醤や豆鼓、ニンニクのバランスも秀逸。
意外にも辛さというよりもさらりとしたラー油の味わいが全面に出ていて、そこに花椒が覆いかぶさっている感じ。
「もっと辛い時もある」という事なので、作り手により、違いが出るようだ。さすが中国。
白飯
やはり麻婆豆腐には白飯が合う。
最後に、とうもろこし揚げの砂糖がけ
デザートな位置づけ。とうもろこし自体の甘さもあり、辛い料理の〆にもぴったり。
いやいや、元祖の店舗に行くと、それよりも他店のほうが進化していたりというケースが往々にしてあるが、こちらは違った。特に麻婆豆腐は最高だった。日本でも東京・三河島の「眞実一路」のようにとても真剣な麻婆豆腐専門店もあり、それも高レベルで良いけれども、こちらは本場の成都。やはり本場で味わう本場の料理は素晴らしいと感服したのだった。
おいしかった!!! ごちそうさまでした!!!
【成都2泊3日の旅】目次に戻る
http://hants.livedoor.biz/archives/52111785.html
いわずもがな、四川といえば四川料理の本場だ。省都である成都では、火鍋を始めとする辛い料理は地元の人たちに大評判。スーパーの地下の食品売り場に行けば、片隅におでんやソーセージなどを販売する店舗がいくつもあり、しかもそこに一味唐辛子が大量に置かれていて、みんな尋常じゃない量をかけている。
そんな成都に来たならば、絶対に味わったほうが良い料理が麻婆豆腐。
日本でもメジャーな料理だが、実は本場はこちら成都。しかも元祖の店舗がある。それが「陳麻婆豆腐」。念願叶って2日めの夕食に訪れる事ができた。
「陳麻婆豆腐」は創業が1862年。日本でいえば江戸時代、中国もまだ清の時代。陳春富さんが成都の北方にある万福橋というところで「陳興盛飯舗」を始めたのが最初。陳さんは早くに亡くなってしまい、奥さんがずっと切り盛りなさっていたそう。その奥さんがニキビ跡(=麻)のあるおばさん(婆)だったので、陳・麻婆・豆腐という店名になっていったとか。
時々「陳おばあさんが作った〜」とか言われたりするけれど、婆はおばあさんじゃなくておばさん。老婆がおばあさんなので間違いなきよう。万福橋のお店は行商の人々がちょっと立ち寄るようなお店で、途中で豆腐を使って作成したのが、この辛い豆腐料理というわけ。
市内には支店もいくつかあるようだが、せっかくなので本店で味わう事にした。店舗は20時半がL.Oと聞いていたので、急いで向かった結果、20時すぎに到着した。広々とした店内は満席、外にも待っているお客さんがわんさかいた。今から待っても相当かかると言われたのだが、ごにょごにょと交渉した結果、じゃあ2階ならすぐに入れると言われ、階段を上った。「陳麻婆酒樓」と看板に書いてあったが、1階とどう違うのかは分からなかった。料理も同じようだった。
僕はハイボールとかレモンサワーとかジョッキタイプの生ビールが特に好きだが、中国なので必然的に瓶ビールだ。初日の瓶とは違う銘柄だったが、やはり薄い味わいは共通していた。もっとも、辛い料理にビールはぴったり。今回もゴクゴクと頂いた。
麻婆春雨
つるりとした春雨の食感と瑞々しい味わいが、辛さでコーティングされている。
きなこ餅
四角に切って揚げたお餅と、別添えで黒蜜&きなこ。完全なるスイーツ。ほんのり甘めで美味しい。
鶏肉と赤ピーマンとセロリの炒め物
辛くない料理もあった。あっさりとした味わいで、箸休めにもいい。
水煮魚(麺入り)
なまずみたいな川魚の入った四川料理の定番らしい。麺も加わっていた。そんなに辛くない。
担々麺
本場なので汁なし。日本の汁あり担々麺は陳建民氏が考案という説と、香港から流入説の2つあり。こちらのは、タレが少しだけ底にあった。混ぜずに麺をいただくとふわふわもっちりタイプ。混ぜたら少し辛味がついたがさほどでもない。味としては大したもんじゃないが、本場で味わえた喜びがある。
挽肉と青菜と人参と紫玉ねぎが入った汁もの
これも辛くなくて、スープというか、おかゆ的でGOOD。
涼粉
エンドウ豆が原料の押し出し麺。辛さが炸裂。
川海老と青ネギの炒め物
ピリ辛くらい。川海老の優しいコクとパリっとした食感、青ネギの香ばしさが一体化。
鶏スープ
けっこう滋味深き味わい。鶏白湯スープが後引く旨さ。
クラゲの酢の物
黒酢的な良さも加わり、中国料理的でイケる。
焼き餃子
焼きたてで、餡もふっくら、皮ももっちりで美味!
そして、メインの麻婆豆腐。
さすがな出来栄え。本格派というかこれが本物なんだけれど、まさに麻(マー)の辛さと辣(ラー)の痺れ具合がグッとくる。豆板醤や豆鼓、ニンニクのバランスも秀逸。
意外にも辛さというよりもさらりとしたラー油の味わいが全面に出ていて、そこに花椒が覆いかぶさっている感じ。
「もっと辛い時もある」という事なので、作り手により、違いが出るようだ。さすが中国。
白飯
やはり麻婆豆腐には白飯が合う。
最後に、とうもろこし揚げの砂糖がけ
デザートな位置づけ。とうもろこし自体の甘さもあり、辛い料理の〆にもぴったり。
いやいや、元祖の店舗に行くと、それよりも他店のほうが進化していたりというケースが往々にしてあるが、こちらは違った。特に麻婆豆腐は最高だった。日本でも東京・三河島の「眞実一路」のようにとても真剣な麻婆豆腐専門店もあり、それも高レベルで良いけれども、こちらは本場の成都。やはり本場で味わう本場の料理は素晴らしいと感服したのだった。
おいしかった!!! ごちそうさまでした!!!
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