カステラの原型「カスドース」。その元祖が平戸の「蔦屋」


いかがでしたでしょうか?長崎平戸2泊3日の旅。
海産物から平戸牛、ちゃんぽん、創作パスタに至るまで食材の素晴らしさと料理の奥深さに驚かれたと思います。

さて、今回も番外編です。
長崎はカステラが有名ですが、その原型ともいうべき商品が平戸市に存在します。
それがカスドース。

1550年に初めてポルトガルの貿易船が入港し、南蛮貿易の幕が開いた平戸。
1609年に平戸オランダ商館も建設された地で、宣教師により伝授されたといわれるお菓子。

それを現代まで伝え続けているのが「蔦屋」です。
創業は1502年(文亀2年)。

当時は贅沢品であった卵や砂糖をふんだんに使った一品で、平戸藩外不出の殿様だけが食べられる“幻の菓子”と呼ばれ、明治以降には皇室献上銘菓にもなりました。も

ちろん、無添加・手づくり。
小麦粉や卵、砂糖などは、良質な国産原料のみを使用。

気泡が大きく甘さ控えめのカステラを焼き上げた後にひと晩かけて乾燥させ、手作業で丁寧に長崎県産の新鮮で濃厚な卵黄を絡め、沸騰した糖蜜に浸けてから、手際よく揚げ、最後に砂糖をまぶして2日がかりで完成。

ふわっとしたカステラの周りに濃厚な卵黄のコクと香ばしさ、粒の感じを生かした砂糖の甘さ。
まさに“極上”という感想にふさわしき作品です。


平戸 蔦屋 (ひらど つたや)
長崎県平戸市木引田町431 (按針の館)
0950-23-8000
9:00〜19:00(日〜18:00)
定休日:無休(元旦のみ休業)
カスドース 5個入り1080円(税込)ほか


カスドース。カステラ生地に濃厚な卵黄のコクと香ばしさや粒感を活かした砂糖の甘さなどが広がる
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イギリス人ウィリアム・アダムス(三浦按針)の邸宅だった館を本店に使用
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1502年から続く「平戸 蔦屋」を守り抜く24代目の松尾俊行さん
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カスドースは5個入りや9個入り、15個入り、20個入りなど種類あり
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他にも常時約20種類の菓子を製造、販売。こちらは「牛蒡餅」
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カスドースとともに「百菓之図」にも紹介された、蔦屋伝統の銘菓。上白糖、黒糖、抹茶の3種類
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