随分と前から存在し、今もずっと続いている駅前の飲食店ってありますね。確実に街の風景に溶け込んでいて、それが当たり前みたいな空気をも醸し出していたり。千葉県船橋市の形成本線京成中山駅。各駅停車しか止まりませんが、通過の際でも東京から成田方面へ向かえば駅を過ぎた直ぐ、踏切の手前左側に佇む料理店が見えます。
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「中華料理 忠実堂」。創業は2002年くらい。ご主人は石井 貞弘さん。代々、此の場所で「福松屋」という食堂をなさっていて、石井さんが銀座アスターや舞浜のシェラトンホテルなどで修行を積んで戻って来て「忠実堂」になったそう。どうしてこの場所なのかと思えば、抑々、駅が出来る前から先祖代々の土地で、石井さんもここで生まれ育ったみたい。
店舗は一戸建てで、南北に走る通りと垂直では無く、斜めに通る線路沿いのために客席のある東側が短く、厨房のある西側のほうが長い台形の造りになっています。厨房も広くて清潔感がありますが、現在はお一人で調理なさるので、逆に広すぎて大変な気も。
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ランチの炒飯は5種類あります。その中からランチ限定の「ハイブリットあんかけ炒飯」を頂きました。ネーミングからして唯一無二の存在感を醸し出しています。しかも「舞浜シェラトンの中国料理はフレンチの技術も取り入れてた」と仰るので、尚更です。
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炒飯は中国鍋の片手鍋、所謂、北京鍋を用います。料理によって使い分けているみたい。まずは白絞油でおこげを素揚げし、別皿に。その後に炒飯の作成です。お米は千葉県産の「粒すけ」。油は白絞油。そして全卵。驚きと言うよりも上質感が伝わって来ます。其れよりも驚いたのが調理の際、予めご飯のほうに塩、胡椒を施す点。これは「舞浜シェラトン」スタイルらしく、働いていた香港人たちがやっているのを見て試したところ、この方が調理工程も楽&丁寧さも出るようで取り入れたのだとか。うま味調味料も不使用で、あんかけと合わせる時の炒飯の味付けはバランスを考えてシンプルに。器に盛った後、今度はあんかけの作成です。海老と浅利、スルメイカ入りの海鮮あんかけ。鶏ベースのスープと日本酒、砂糖、卵白、片栗粉、葱油で味付け。野沢菜も入り、その塩味が優しく伝わって来ます。仕上がったら炒飯の上におこげ、そして海鮮あんかけをかけて完成です。パラリとした中にお米自体のふっくら感も合わさった玉子炒飯に、とろりとしたあんかけ。味わうと時々に顔を出すおこげのサクサク感。その味のグラデーションを堪能すれば、まさに「ハイブリット」の文字が脳裏を過ります。ちなみにネーミングを思い付いたのは、考案時がクルマのハイブリット車が流行り出した時だったからだとか。なるほど、そこからのインスピレーションですね〜。
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「忠実堂」は店内の雰囲気の良さも魅力です。木の温もりと共にほのぼのとした静寂さと上品さ。「酢豚」や「麻婆豆腐」も人気の様なので、其方もぜひ。
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中華料理 忠実堂 (ちゅうじつどう)
千葉県船橋市本中山1-15-23
047-334-4389
ハイブリットあんかけ炒飯(ランチ限定) 1280円

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